丘珠獅子舞

伝承年・伝承者  明治22年
伝承元   富山県福野町安居<やっすい> (現南砺市)
 砺波型1列。一頭立て。頭は胴幕から出て舞う。一つの演目の途中で頭が交代することがあ る。
獅子の形態  胴幕の中は8人。獅子の長さは約6m で、胴幕の色は青を基調としている。
獅子取りの形態  演目によって獅子取りが一人、二人、または三人である。子供が獅子取りの時は、シャグマを付ける。
   一人=「小薙刀」「扇」「鎌」「薙刀」「唐傘」「飛び棒」「引き棒」
   二人=「太刀」
      三人=「剣」「乗り獅子」
囃子方の形態   笛(縦及び横)、太鼓、鉦。
 丘珠獅子舞は、昭和49年札幌市指定無形文化財に指定された。
 

 緩やかな踊りの篠路烈々布獅子とは異なり、丘珠獅子舞は動きが激しく、舞の種類も多い。篠路が雌獅子の舞ならば丘珠は「雄獅子」の舞である。
 

 演目は12品目ほど存在する。獅子をおびき寄せて退治する様子を表している。
 

 天狗と般若が先導して神社まで「道中」、鳥居から境内まで「行列」で入場する。天狗が先導をすることは見られるが、般若が先導をとるのは珍しい。境内にはいると、拝殿に向かって一斉に走り出す。この点は先の篠路獅子舞とは違い、動きが感じられる。拝殿では獅子が歯をカタカタと鳴らす「にらみ」を行い、次いで拝殿から降り観衆に向かって「にらみ」をする。
 

「にらみ」が終わると演目に入る。

  頭は動きが激しいため、一つの演目の間に適宜交代をする。初めは正面(神社拝殿)を向いて舞い、次に反対方面へ頭を向ける。再度正面を向く時に交代するようである。向きを変えるときは、かなりの速度で動くため、尾の胴幕を一人が支える。支えがなければ遠心力で飛ばされるそうである。


 囃し手は男性のみで、横笛と縦笛を使用している。舞の多くは縦笛であった。
 

丘珠神社例大祭にて
(境内へ『行列』するところ)

演 目

宮入・にらみ

 神社に入場した後、拝殿前まで進む。

小薙刀の舞

 獅子取りは子供で、1人で舞う。

剣の舞

 獅子取りは3人。短めの棒の先に剣先の付いた剣を手に持つ。

扇の舞

 獅子取りは1人。両手に扇を持つ。

鎌の舞

 獅子取りは1人。手に鎖鎌を持つ。この舞から、獅子が前後途中で向きを変える。再び正面(拝殿側)を向く際に、頭が交代をする。

棒の舞

 この棒を使う舞いと、薙刀を使う舞い、唐傘を使う舞いの獅子取りは、前の3つと違い年上の男性が舞う。

飛び棒の舞

 獅子取りが棒を両手に持って、その間を飛び抜ける舞がある。

大薙刀の舞

 薙刀の先には真剣が付いている。

二人太刀の舞

 初めは太刀を持った獅子取りが2人付く。2人のうち、どちらが獅子と戦うかを決める舞があり、勝ち残った獅子取りが獅子と戦う。獅子取りは子ども。

引き棒の舞

 棒の舞に似ているが、棒を左右で回す動作、棒を地面に引きずる動作が加わる。

唐傘の舞

傘を持つ舞は、富山県内の下新川型などに見られるが、全国的にも珍しいそうである。

乗り獅子

最後に、棒と刀を持った獅子取り先頭として、後方から弓矢を持って肩車に乗った獅子取りが現れる。舞の終わりで弓を使って獅子を射止めることを表している。

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